神様修行はじめます! 其の二
「中を案内してくれるようじゃのぉ」


「え? 迷路になってるんじゃないの?」


「大丈夫じゃ。こやつらには迷路の呪術は効かぬよ」


「なんで?」


「掃除のたびに、あちこちの呪術に引っかかっておっては、仕事にならぬわい」


あぁ、そっか。そりゃそうだ。

意外な盲点だ。


権田原といい、小人さん達といい。

門川の偉い人達にとっては、歯牙にも引っ掛けない存在だったろうな。


その存在たちに、揃って足元をすくわれる。


・・・いい教訓だね。



元気に手足を振って歩く小人さん達。

その後を、ありがたく着いて行かせてもらう。


さっき絹糸が言った通り、中はめったやたらと広かった。


外から見たら、一部屋程度の大きさの庵だったのに。


もう何度、長~い廊下の角を曲がったことか。


右へ曲がり、左へ曲がり、まっすぐ進み・・・

ゾロゾロと集団で歩いていく。


やがて、小人さん達の足が止まった。


・・・・。

廊下の先の行き止まり。

そこに、部屋があった。

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