神様修行はじめます! 其の二
絹糸が後に続いた。
あたしとしま子も、後に続く。
門川君が、障子の手前で止まった。
「兄上・・・永久にございます」
彼の声が、少しだけかすれて聞こえたのは、気のせいじゃないと思う。
あたしの心臓も、皆に聞こえるんじゃないかと思うくらい、激しく鳴っている。
障子越しに揺れて動く影が、ピタリと止まった。
そして、ほんのかすかな声が聞こえる。
「永・・・久・・・?」
「兄上、突然のご無礼お許しください」
「本当に・・・永久、か・・・?」
「はい、兄上。お目通りをお願い申し上げます」
「・・・・・」
お兄さんは、何も言わなくなった。
身動きもせずに沈黙している。
さぞかし驚いているんだろうな。無理も無い。
ずっと何年も会っていなかった弟。
今は、当主の座を争う仲で。
しかも、弟は大罪人で処刑宣告まで下されている。
そんな弟が、ある日突然「会いに来ました」って現れても・・・。
なんて返事をしていいやら、頭真っ白状態だろう。
あたしとしま子も、後に続く。
門川君が、障子の手前で止まった。
「兄上・・・永久にございます」
彼の声が、少しだけかすれて聞こえたのは、気のせいじゃないと思う。
あたしの心臓も、皆に聞こえるんじゃないかと思うくらい、激しく鳴っている。
障子越しに揺れて動く影が、ピタリと止まった。
そして、ほんのかすかな声が聞こえる。
「永・・・久・・・?」
「兄上、突然のご無礼お許しください」
「本当に・・・永久、か・・・?」
「はい、兄上。お目通りをお願い申し上げます」
「・・・・・」
お兄さんは、何も言わなくなった。
身動きもせずに沈黙している。
さぞかし驚いているんだろうな。無理も無い。
ずっと何年も会っていなかった弟。
今は、当主の座を争う仲で。
しかも、弟は大罪人で処刑宣告まで下されている。
そんな弟が、ある日突然「会いに来ました」って現れても・・・。
なんて返事をしていいやら、頭真っ白状態だろう。