神様修行はじめます! 其の二
門川の第一子という立場でありながら・・・

でき損ない、失敗作と、白い目で蔑まれ・・・

母親からは、連日のように責められ、ののしられる。


それでも・・・

それでも永継様はおっしゃっていた。


『いつかきっと当主になって、みんなを・・・永久を守るんだ』


純粋な心。

穏やかで慈悲深い精神。

崇高な志。

辛い日々でも微笑を絶やさぬ強さ。


永継様は、当主になられる全ての素質を兼ね備えておられた。


なのに・・・


なのに力は発動しなかった。

待っても、待っても・・・

いつまでたっても・・・・・。


反対に、弟はめきめきと頭角を現した。

その類まれなる非凡な才能を、日々開花させていく。


名声は高まるばかり。

弟の名を知らぬ者はないほどに、その実績は知れ渡る。

その才能と実力を褒め称える噂ばかり・・・。


一方、兄である自分の評価は

できそこない、失敗作。

門川の血を引かぬ子ども・・・。
< 300 / 654 >

この作品をシェア

pagetop