神様修行はじめます! 其の二

・・・・・。

・・・違う。

違う違う違う!


絶対に違う!


でき損ないなんかじゃない!

失敗作なんかじゃない!

自分には、立派に門川の血が脈々と流れている!


母上が、いつもそう言っておられた。

だから、だから自分は断じて、断じて・・・


でき損ないなどでは、ない!!


いつかきっと力が目覚める。

母上もそう信じて下さっている。

どんなに苦しくとも、耐えて、いつかきっと来るその日のために・・・!!


そう・・・

自分自身に言い聞かせ続けていた、ある日・・・


永継様は、この庵に押し込まれ、隔離された。

母親の命令だった。


『人目につかぬよう、二度とこの庵から出るな』


それは、つまり。

母親から

『お前の事は見限った。やはりお前に能力は無い』

そう言われたも同然だった。


今まで、まがりなりにも自分の力の継承を信じていてくれていたのに・・・。


ついに、実の母にまで見捨てられた。

永継様の心は・・・壊れた。
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