神様修行はじめます! 其の二
誰も・・・母親すらも尋ねてこない。

ひとり。たったひとり。

たまに来る者といえば・・・


弟を当主に据えようとする一派の、暗殺者。

邪魔な自分を亡き者にしようと、命を奪いに来る者だけ。


それ以外は、ただ、ひとり。


春の花。

夏の雨。

秋の風。

冬の雪。


巡る季節を、幾度も幾年も小さな窓から、ただ眺め続けて・・・。


そして、ある日


『何があっても、来てはならぬ』


そう言って・・・

部屋に篭もったまま・・・・・


次の日・・・



部屋の柱から、ぶら下がる永継様を見つけた。

この私が見つけた。


物言わぬ永継様を。

冷たい永継様を。

変わり果てた永継様を。

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