神様修行はじめます! 其の二
「門川君! 危ない!」


ううぅ・・・!

叫ぶと同時にあたしは顔を歪めた。

声を出すと、激痛が走る。

眩暈や痛みが倍増する。


「小娘! 動くでない! 毒の回りが早まるぞ!」

「絹、糸ぉ・・・っ!」

「お前は動くなっ!」


絹糸が、飛ぶような素早さで部屋中を駆け巡る。

床、壁、天井。

まるで瞬間移動のように飛び回った。


秋風の放った刃物が絹糸を追う。

音をたて、部屋のあちこちに、見る間に刃物が連続して突き刺さっていく。


シッポや前足で刃物を叩き落し、それを足場にし、絹糸は秋風に接近した。


飛び掛ろうとした時、秋風の頬がまた膨らんだ。

また毒針!?


フッ・・・!

銀色の光が空を走り、絹糸の後ろ足に何本か突き刺さる。

「・・・っ!!」

絹糸はバランスを崩し、そのまま床に落下した。
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