神様修行はじめます! 其の二
「絹糸!」

あたしは、なんとか起き上がろうとした。

途端に痛みと眩暈に襲われ、また倒れる。


絹糸も起き上がろうと、床の上でもがいている。

ぽたぽたと絹糸の足から血が落ちた。


秋風はそんなあたし達を見ながら、悠々と起き上がった。

そしてこちらに向かい、一歩、足を踏み出して・・・


突然うしろに体をのけ反らせた。


「があぁぁっ!!」

・・・・・しま子!


秋風がこちらに気をとられている間に、うしろに忍び寄っていた。

首と脇に腕を回し、羽交い絞めにしている。


顔には銀色の針が複数刺さり、血が筋になって流れている。

目にも突き刺さって血の涙が流れていた。


絹糸・・・しま子!!


あたしは、必死に立ち上がった。

ぐらりと足場が揺れて倒れそうになる。

痛みは全身に広がって、脂汗が噴き出してきた。


今・・・今しかないっ。

しま子が押さえている、この間に・・・


あたしは、床に落ちている刃物を拾い上げた。

ぎゅっと握りしめる。


この間に・・・


秋風を、殺さなければっ!

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