神様修行はじめます! 其の二
秋風の頬が膨らんだ。

・・・毒針!? しまった!


フッ!と音をたてて秋風の口から息が吐き出された。

あたしは両目をつぶり、とっさに顔をそむけた。


あ・・・

なにも・・・刺さらない。外れた?

恐る恐る目を開くと・・・



あたしの真横に門川君が立っていた。

こぶしを握った右腕を、あたしの目の前に伸ばして。

その腕に・・・


何本もの毒針が突き刺さっていた。



門川君・・・っ!!


腕から血の雫を滴らせ、彼は立っていた。

目は、冷徹に秋風を見ている。

いつも通りの無表情で、目だけは、どこまでも冷たく。


秋風が門川君を見て頬を膨らませる。

あ!と思った瞬間・・・


門川君の方が一瞬速かった。

反対側の手で、秋風の口をびしゃりと封じた。


そして毒針の刺さった腕で、あたしの手から刃物を奪い取る。

刃物が、秋風の首に向かって一直線に銀色の線を描いた。
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