神様修行はじめます! 其の二
「だめええっ!!」

あたしは門川君の腕にすがり付いた。

だめ! だめだよ門川君!


「これはあたしがやらなきゃならないんだよ!」


門川君は殺しちゃだめなんだ。

奥方の犠牲になった、この人を・・・

お兄さんの事を心から愛していたこの人を・・・


門川君の手で殺しちゃだめなんだよ!


だからあたしがやるんだ。

これは、あたしの役目。


「あたしがこの人を殺す!」

「そんな事はこの僕が許さない!!」


彼はあたしを睨んで大声で叫んだ。

それは今まで見た事が無い表情だった。

目は激しく吊り上り、怒りに燃えている。


本気で怒っているんだ。

形相が変わってしまうくらい、本気であたしに怒ってる。


また、部外者のくせに余計な事をって思ってるんだ。きっと。

その言い分も気持ちも分かるけど・・・

今はそんな争いをしてる場合じゃない!
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