神様修行はじめます! 其の二
秋風の暴れる勢いが激しくなった。

しま子の、押さえる力が弱まっている。

毒が体に回ってきているんだ。


今のうちに決着をつけないと!

あたしは素早く彼から刃物を奪い返した。


「よせっ!!」

門川君が、さらにあたしから奪い返そうとして・・・呻いた。

右腕が痙攣している。

毒が回っているんだ。

早く、早くこの刃物を・・・!


突き刺そうとするあたしの動きを、門川君が動かない腕と肩で邪魔をする。

「邪魔しないで!」

「絶対にだめだっ!!」


あたし達はお互いの動きを阻止するのに必死だった。

あたしは、その隙間から狙いを定めた。

秋風の心臓を狙って、一気に刃物を滑らせる。


さあ、これで・・・


終わるっ!!


「だめだっ!!!」

門川君が、全身をあたしにぶつけて来た。


あたし達は一緒に床の上に倒れこんでしまう。

そのはずみで、刃物があたしの手から離れてしまった。

あぁ・・・! 刃物が!!
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