神様修行はじめます! 其の二
あたしは彼と抱き合うような形で、彼の体の下敷きになった。

彼の肩越しに秋風の姿が見える。

その頬が門川君に狙いを定め、膨らむのが見えた。


「門川君! 離れてっ!!」

「だめだっ!!」

「お願い!」

「絶対にだめだっ!!」

「門川君っ!!」

「君の・・・」


彼の顔が、あたしの顔のほんの数センチ上にあった。

視線と視線がぶつかり合う。

彼はまさに必死の形相だった。


「君のこの手が血に染まるのを見るくらいなら・・・僕はこの場で舌を噛む!!」


・・・・・。


え?



「君を人殺しにはさせない! 絶対に!」

「え・・・?」

「君だけは・・・君だけは・・・」


門川君は、麻痺して動かない腕で、あたしの頭を抱え込んだ。


「君の幸せだけは・・・何があっても守り抜くと心に決めたんだ!!」


門川・・・くん・・・?

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