神様修行はじめます! 其の二
「おあいこだから」のひと言では、とても割り切れない。

とても簡単には割り切れない。

この世界の現実は、確かに事実だ。

でも、お兄さんと秋風の現実だって、間違いなく事実なんだもの。


だから何か、声を掛けたくて。

慰めるとか、癒すとか、そういうんじゃなくて。

ただ、声を掛けたくて。


でも、なんて言葉を言えばいいのか分からない。

どんな言葉が正しいのか、まるで分からない。


なんだかもう「ごめんなさい」しか出てこなくて・・・。


だから、だから・・・



「うぅぅ~~・・・」

しゃべってるうちに、また吐き気がしてきた。

あたしは口を手で覆って、うめく。


「もういい。お前が何を言いたいのか、私にはさっぱりだ」

「うぅ・・・」

「もう、行け」

「・・・・・」


秋風は、向こうを向いた。

お兄さんのミイラを見つめている。


「私は何も分からない。何も見ていない。何も知らない」

「・・・・・」

「ただ、ここで静かな時間を過ごしていただけだ」

「秋、風・・・」


あたし達の事、黙っててくれるつもりなんだ。

やっぱり・・・ありがとう。
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