神様修行はじめます! 其の二
「それでは帰るぞ。しま子も来い」

「うあぁ・・・」


目を閉じたしま子が、両手を前に出してふらふらしながら歩いてくる。


「しま子、僕の肩につかまれ。絹糸はしま子に抱えてもらえ」

「我の心配など無用じゃ」

「やせ我慢をするな」

「ふん。どっちが」

「なら好きにしろ。・・・行くぞ」


あたしを抱きかかえた門川君が、歩き出す。

しま子も絹糸も、みんな揃って。


・・・秋風をひとり残して。


部屋を出る時、門川君が立ち止まった。

そして振り返る。


お兄さんのミイラ。

その前でうずくまる秋風。


ロウソクの頼りない灯りに照らされ、そこだけが異空間のように見える。

それを見る門川君の、哀愁を帯びた瞳の色。


「・・・・・・・」



そして彼は振り切るように部屋を出て行った。

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