神様修行はじめます! 其の二
抜け道を進む間に、あたしの体調はみるみる良くなった。

反対に、みんなの体調はますます悪化しているようだった。


「み、みんな、大丈夫っ?」

「心配、いらない・・・」

「我らは、小娘と違って毒に耐性があるのでな・・・」

「うがあぁ~・・・」


あたしを安心させようとする言葉も、息が荒く途切れがちだ。


「門川君やっぱり降ろしてっ」

「だめだ」

「あたしもう大丈夫だからっ」

「完全に解毒されたわけじゃない。無理をするな」

「お願いだから・・・」

「絶対にだめだ」


門川君・・・。


彼のこめかみから汗が伝い、アゴから落ちた。

胸が大きく波打っている。


彼の手は、相変わらず冷たい。

真っ直ぐ前を見る瞳も、態度も、言葉も。

全てが冷たく、そっけない。


でも、あたしの胸は熱くなった。

心臓がぎゅっと絞られるようにうずいて、ドキドキと鳴り響く。


泣きたいような、この気持ち。

手に余すようなこの感情。

門川君・・・・・。
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