神様修行はじめます! 其の二
体中の残った毒素が、いっぺんに消え去った。

絹糸もしま子も、穏やかな表情になっている。

きっとすっかり解毒されたんだ。

あ・・・?


こめかみと頬に残っていた、ピリピリした痛みが消えてる。

手で触れると、傷が無くなっていた。

すっかり元通りだ。



門川君は、いつも通りの表情。

感情の読めない、綺麗な顔立ち。

強い光にさらされて、濃い陰影を刻むその姿。


あたしは・・・それをじっと見つめていた。

満たされた体で、余計な物の全てが消え去った心で。

彼を、ただ見つめた。


そして、彼に語りかけた。


「ねぇ、門川君。あたしね・・・」

「・・・・・・・」

「あたし、あたしね・・・」

「・・・・・・・」


ぽつんと、言葉がこぼれ出た。


「あたしは絶対、門川君の側から離れないからね」

< 337 / 654 >

この作品をシェア

pagetop