神様修行はじめます! 其の二
ぴくん。

彼の唇が、かすかに動いた。


「・・・・・」

「絶対に離れないから。何があっても離れない」


うっすらと彼の両目が開かれる。


「たとえ門川君があたしを突き放しても、あたしは絶対に離れないから」


秋風の姿が脳裏に浮かんだ。

慟哭し、血を吐くような後悔と懺悔を繰り返していた、あの姿を。

胸が痛んで、涙がにじんできた。


「あなたの側にいたい。だから、側にいる。この気持ちを変えることは・・・もう誰にもできない」


たとえあなたでも。

たとえあたしでも。

この気持ちを変える事はもう、不可能なの。

もう、変わる事はないのよ・・・。



門川君の眉が、苦しげに動いた。

目が悲しみに満ちている。

唇がわななき動く。・・・そして・・・


「・・・・・なぜだっ!?」


そう叫んだ。

両手を地面につけ、コブシを握りしめる。

うつむき、再び叫んだ。


「なぜだ!? なぜ君は離れてくれないんだ!?」

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