神様修行はじめます! 其の二
自分のせいで誰かが罪に染まるのを、見ていられなかったお兄さん。

耐え切れずに命を絶った。


自分のせいで誰かが傷付くのを、見ていられない門川君。

だから相手を、自分の側から離そうとする。

わざと冷たい言葉と仕打ちで。


そして・・・自分も傷付き、どんどん孤独になっていく。


似たもの同士だね。

やっぱり兄弟なんだね。

冷たくて、残酷で・・・

哀しい、ふたり・・・。



あたしは涙を流しながら、困ったような顔で笑った。

「あの、ね。なぜって聞かれても、説明するのは難しいよ・・・」


本当に、難しいなあ。

なんて言えばいいんだろう、この気持ち。


彼が好きだから。

それは確かにそうなんだけど・・・。

それだけじゃ、ない。


その言葉ひとつでは、とても伝えきれない何かが、あって・・・。

それはとても大きくて、たくさんで、すごく大切な事で・・・。
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