神様修行はじめます! 其の二
好きだからってだけじゃ、足りない。

運命って言葉とは、少し違う気がする。

絆って言葉でも、伝え切れない気がする。


そのどれでもあって、どれでもない。


とても・・・

とても言葉だけでは言い表せない、この気持ち。

この気持ちを、なんと言えばいいんだろう・・・。


「簡単に説明できるくらいなら、たぶんとっくに門川君から離れてるよ」

「・・・・・」

「あたしが離れないのは、だからつまり・・・つまり、そういう事なんだよ」


ごめんね、説明にもならないような説明で。

でもこれしか言いようがないの。

本当に、どうしても説明しきれないの・・・。


門川君は、あたしをじっと見つめている。

黙ってあたしの話を聞きながら。

言いようのない表情で、とても切なそうに。


「僕は・・・僕は、君が・・・・・」


何も言わずに見つめ合う二人。

強く絡み合う視線。


あたし達はお互いに、自分の気持ちを抱え込んでいた。

言葉にできない気持ちを。

伝えたくて、でも、とても伝えきれない。

とても大きくて大切な気持ちを・・。



「・・・とにかくもう、行くぞ」

絹糸が、沈黙を破った。


「ここでこうしていても仕方あるまい。権田原へ帰るのが先決じゃ」

「・・・あぁ、その通りだな」
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