神様修行はじめます! 其の二
あたしは門川君としま子を連れて、あの場所へ向かった。

あの場所。つまり・・・


あの時ブチ切れたあたしが、宴会を飛び出して行った、あの田んぼのあぜ道へ。


一人になりたいのなら、あそこにいるのかも。

確信は無いけれど・・・。


淡い期待を持って、あたし達は道を急いだ。


・・・・・いた。絹糸だ。


絹糸が、ぽつんと一人であぜ道に座り込んでいた。

明かりのほとんど無い、薄暗い夜のあぜ道に。


顔は真っ直ぐ前を向いているけれど・・・。

別に景色を見ているわけじゃないのは、明らかだった。

その表情は、どこか遠くの場所を彷徨っていた。


声を掛けるのをためらう。

一人になりたいのなら、このまま放っておくべきかな?

その方が親切? 礼儀?

でも・・・・・。


「・・・・・絹糸」


あたしは遠慮がちに声を掛けた。

どうしても、放ってはおけなかった。


「・・・・・」

金色の目がこちらを向いた。

そしてあたし達を、ひとりひとり確認するかのように見て

「・・・無粋なやつらじゃのぉ」

そう言った。
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