神様修行はじめます! 其の二
「気になるのであろう? 我にあれこれ聞かぬのか?」

「・・・う~ん・・・」


気になるのは当然気になるし。

聞きたいのも、やまやまなんだけど。


それは絹糸が話す気になったら、でいいや。


「その気になった時に、話してくれるのがいいと思う」


そしたらその時は、もちろん聞く。

それまでは、一緒にいるだけ。

あたしが一緒にいたいからいるだけだよ。


「あ、もちろん邪魔なら帰るよ! 所在は確認できた事だしね」

「これでこのまま帰られたりしたら、余計に気味が悪いわ」


慌てて手を振って言うあたしに、絹糸が少し笑って答えた。

そして、ふぅっとひとつ、息をつく。

そのまま、またしばらく押し黙って・・・。


「永守(ながもり)がの、付けたのじゃよ」

そう、言った。


「我の『絹糸』という名は、永守が名付けたのじゃ」

「・・・ながもりって?」

「永継と永久の父親。永世の一人息子じゃよ」


絹糸の目は、遠くを彷徨った。

記憶の扉を開けるように。

大切な物を、そっと取り出すかのように。
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