神様修行はじめます! 其の二
永守(ながもり)という名はの・・・
永世の夫が名付けたのじゃ。
自分が死んでも、息子が永世を守り続けてくれるように、と・・・。
結局ふたり共、永世を遺して先に逝ってしまったがのぉ。
永守は、我が育てたようなものじゃよ。
普通、養育係が子を育てるのじゃが。
永世には、心から信頼できる人間が門川にはいなかった。
『息子の命を預けられるのは、あなただけよ』
そんな勝手な理屈をこねて、永世が我に押し付けたのじゃ。
勝手な理屈ではある。
が、無理も無い言い分でもあってのぉ。
赤子を放っておくわけにもいかぬ。
仕方なく、我が面倒を見た。
さすがに、乳やおむつを替えるのは永世がやっていたが。
その他は、我がずっと守り続けた。