神様修行はじめます! 其の二

永守(ながもり)という名はの・・・


永世の夫が名付けたのじゃ。

自分が死んでも、息子が永世を守り続けてくれるように、と・・・。


結局ふたり共、永世を遺して先に逝ってしまったがのぉ。



永守は、我が育てたようなものじゃよ。

普通、養育係が子を育てるのじゃが。


永世には、心から信頼できる人間が門川にはいなかった。


『息子の命を預けられるのは、あなただけよ』


そんな勝手な理屈をこねて、永世が我に押し付けたのじゃ。

勝手な理屈ではある。

が、無理も無い言い分でもあってのぉ。


赤子を放っておくわけにもいかぬ。

仕方なく、我が面倒を見た。


さすがに、乳やおむつを替えるのは永世がやっていたが。

その他は、我がずっと守り続けた。
< 349 / 654 >

この作品をシェア

pagetop