神様修行はじめます! 其の二
泣いてはあやし


笑っては撫で


這っては驚き


立っては褒め


しゃべっては感心し


歩いては心配もした。



いつも日なたの匂いがした。

透き通った瞳で我を見つめて

小さな手を、懸命に我に伸ばした。



我の背を撫でるのが、ほんに好きな子での。


「いつまでも触っていたい」


しゃべれるようになってからは、それが口癖じゃったよ。

どんなに泣いていても、我の背を撫でればぴたりと泣き止んだ。


一途で、けな気に、一心に、我の背を撫でる。

その手から伝わる温かな純真さが、我には心地良かった。
< 350 / 654 >

この作品をシェア

pagetop