神様修行はじめます! 其の二
「絹糸、ごめんね」

「・・・・・」

絹糸が金色の視線をこちらに向けた。


「なぜ謝る?」

「あたしも・・・いずれは絹糸を置いて逝くんだろうから」

「・・・・・」

「でも、それでもやっぱり・・・」


あたしは絹糸を胸に抱きかかえた。

絹糸はおとなしく抱かれている。

その温かくて柔らかな体を、きゅっと抱きしめる。


「それが分かっていても、絹糸と一緒にいるつもりだから」



ごめん。ごめんね。

また絹糸を悲しませるのが分かっているのに。

でも、分かっていても離れたくないよ。

絹糸が好きだから。


「大好きだから、一緒にいたいんだよ」


するりと言葉が口から出てきた。

それは、ものすごく素直な感情だった。

また単純明快だって呆れられるかな。

うん、そうだね。ほんとにあたしって単純。


シンプルで簡単な話。


好きだから一緒にいたい。

それに尽きるんだ。

ただそれだけなんだ。

それが一番大切なんだ。あたしには。
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