神様修行はじめます! 其の二
「ねぇ、絹糸。あたしと出会わない方が良かった?」

「・・・そんな事は思わぬよ」

「なら一緒にいようよ」


出会って良かったと思う相手なら一緒にいようよ。

素直に、単純にさ。

いたいなら、いればいいんだよ。

ただそれだけの事なんだよ。簡単だよ。


難しい事なんかさ、ひとっつも無いんだよ。


「どんなに辛くても、どんなに悲しくてもさ・・・」

「・・・・・」

「梅干おにぎりがあるから大丈夫だよ」


絹糸は、黙って胸に抱かれていた。

あたしを見上げて、じっと耳を傾ける。

金色の目が、食い入るようにあたしを見ていた。

まるで何かを探しているように。


「ナオは・・・」

何かを探す瞳のままで、絹糸が話し出した。

ナオ?

あたしのじー様?


「じー様がどうかしたの?」

「そう言えば、我に願いを託さず逝ったのは、ナオだけじゃったと思うてのぉ」

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