神様修行はじめます! 其の二
あたしの全身が緊張でジリジリ痺れる。

手足の先まで、どきどき波打つ。


「誰かに幸せになって欲しいなんて、初めて思った」

「・・・・・」

「そんな風に思えて、僕自身も幸せだった。だから・・・」



だからあの時、君の記憶を奪った。

門川で、生死を懸けた日々を送る事が、君にとっての幸せとは思えなかったから。


人の愛と情に包まれ、真っ直ぐ育った君の綺麗な心。

その心が、こちらの世界の過酷な現実で生き抜けるとは思えなかった。



無残な死が、常に付きまとう門川という存在。

その中に幸福など、一切無い。

そんな門川での日々で・・・


僕は、君と出会った。


< 364 / 654 >

この作品をシェア

pagetop