神様修行はじめます! 其の二
あたしは・・・

門川君と正面から向き合った。

門川君の両目を見て、そして・・・


「あたしにとって何が幸せかは、あたしにしか決められないよ」


そう答えた。



何が人の幸せかなんて、簡単に答えは出せない。

答えはひとつじゃないから。


誰かにとって不幸にしか見えなくても、他の誰かには譲れないほど大切なことだってある。


門川君、絹糸、しま子。


「みんなと離れる事があたしの幸せなんて、どうしても思えないよ」

「僕にはそれが分からなかった」

「・・・・・」

「幸せそのものに、縁の無い人生だったから」



誰も殺すことなく、殺される事なく生き抜く。

それが唯一で最高の幸せとしか信じられなかった。

だから、君を現世に送り返せば・・・

僕も満足できると思っていた。


どこかで君が幸せに生きていてくれる。

それが、僕自身の幸せに繋がると思っていた。

なのに・・・。
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