神様修行はじめます! 其の二
君を守るために、何としても君を帰さなければ!

もう二度とこんな所へくるものか! 君にそう思わせなければ!

徹底的に傷つけて、突き放さなければ!


その為ならなんでもする。

君に恨まれようと、憎まれようと。

生涯、許してもらえなくてもかまわない。


君の命を失うくらいなら!

君の心が、命のやり取りの中で蝕まれるくらいなら!

そんな絶望を味わうくらいなら!


僕が生涯、君に恨まれることなど何でもない。

そんな事くらい平気で耐えてみせる。


「自信があったんだ。君のためなら、僕はどんな事でも耐えられるって」

「・・・・・」

「それに冷たい仕打ちは得意だったから。君はすぐに逃げ帰ると思っていた」


なのに・・・。

君は、ずいぶんとしぶとくて。

僕に傷付けられ、苦しみ、泣きながらも帰ろうとしない。


まいったよ。

僕のせいで苦しむ君を見るのは辛かった。

本当に、きつかった。

泣く君を追いかけて、その涙をこの指で拭きたかった。

いつものように・・・。
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