神様修行はじめます! 其の二
「それでも、結果として君が幸せになってくれるなら、それでいいと信じていた」


それが・・・

それがさっき、絹糸と君の会話を聞いて・・・

目が覚める思いだった。


絹糸の胸の内を聞いた時、思ったよ。

勝手な事を言うな! とね。


僕を置いて帰って行ってしまうつもりか。

いずれ失うのが辛い?

そんなのそっちの勝手な理屈だ。


切り捨てられた僕はどうなる?

ずっと一緒だと信じていたのに。

当たり前なくらい、絹糸は僕にとって自然な存在なのに。


その存在を失ったら、僕はどうなるんだ?


僕と絹糸の今までの日々は何だったんだ?

切り捨てられる程度の日々だったのか?

絹糸にとってはそうでも、僕にとってはそうじゃない。


かけがえのない日々なんだ。

それに勝手に背を向けて、後は好きに生きろと言うつもりか?


自分が辛いから、僕の気持ちはおかまいなしか?


冗談じゃない!

それは僕に対する侮辱でしかない。

絹糸の気持ちは理解できても、そんなの納得できるわけがない!
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