神様修行はじめます! 其の二
門川君があたしに歩み寄ってくる。

あたしの両手を、強引に顔から引き剥がした。

そして、食い入るようにあたしを見つめる。

あたしの、涙に濡れた顔を。


「本当に、それでいいんだな?」

「うっ・・・うっ・・・うん」


彼の真剣そのものの目に、あたしは答えた。

泣きながら、もどかしい声で懸命に答えた。


「本当に、君は後悔しないなっ?」

「うぅっ・・・う、うんっ」


ひきつけるようにしゃくり上げながら、あたしはうなづいた。


「本当に、君はそれを選ぶんだなっ!?」

「うぅっく・・・うんっ!」


何度も何度も、彼に向かってうなづいた。


「本当に天内 里緒は、門川 永久と共に生きる事を望むんだなっ!!?」

「だから、そうだってさっきから何度も何度も言ってるでしょ―――っ!!」


バッシ―――――ンッ!!!


あたしは、思いっきり彼の横っ面を張り飛ばしていた。

彼は自分の頬に手を当て、ぎゅっと目を閉じ痛みに堪えている。


この・・・この大馬鹿やろ―――っ! 

そんなの決まってるでしょっ!?


いいかげん、分かれぇ!!

いいかげん、気づけぇ!!

あたしは・・・


「あたしは門川君の事が、ずっとずっと好きだったんだから―っ!!!」

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