神様修行はじめます! 其の二
部屋へ戻り、障子を開けた。

絹糸としま子が、揃って顔を上げてあたしを見る。

あたしがふたりに向かって笑顔を見せると、安心したような顔をした。


また門川君とトラブルになってるかと心配してたのかな。

そうだよね。

ずいぶん気を使わせちゃったよなぁ。


もう大丈夫だから安心してね。

あたしと門川君は、もう大丈夫!


細かい事は説明しないけどさ。

・・・恥ずかしいから。


「永久はどうした?」

「当主さんとお話があるんだって」

「そうか。では行くぞ」

「どこへ?」

「その話し合いに参加するに決まっておろう」

「お邪魔じゃないの?」

「いや、永久は小娘に伝言を頼んだのじゃよ」

「伝言?」


別に伝言なんて頼まれてないけど?


「話し合いをするから、部屋へ行って我らを連れて来い、という事じゃよ」


あたしは、さっきの会話を思い出してみた。

どこをどう考えても、そういった内容の会話じゃない・・・と、あたしは思うけど?
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