神様修行はじめます! 其の二
「事情は永久様から聞いただよ。えらい事だなぁ」

当主さんが渋い顔をした。


本当にドえらい事態だ。

門川乗っ取り計画を、奥方が絶賛進行中だなんて。


「まさに非常事態でございますね」

「あんな事が、いつまでも通るわけもあるまい。それすらも理解できなくなっておるのか・・・」


理解はできても、認めたくなくて悪あがきをしているのか。


当主の座に固執する気持ちまでは、分からなくも無いけど。

やってる事がムチャクチャすぎる。

もう、まともな精神状態じゃなくなってるんだろう。


「いずれ、華子自らが破綻するであろう。だが・・・」

「それを待ってはいられない」


門川君がそう言った。


そう。のんびり待ってはいられない。

門川乗っ取り計画の、最大の障壁。

唯一で正統な後継者の、門川君。

その彼を、奥方は気違いじみた執念で抹殺しようとしている。



「僕は門川当主の座に就く」


みんなの視線が、門川君に集中した。

門川君・・・。
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