神様修行はじめます! 其の二
「今まで、当主は兄上がなるものだと思っていたし、そもそも興味も無かった」


門川君は、淡々と語り続ける。

いつも通りの無表情。

抑揚の無い、冷たい口調で。


「だが・・・こうなった以上、黙ってはいられない」


でも、彼の凛とした顔立ち。

強い、しっかりとした視線。

すっと伸びた背筋。

迷いの無い目。


「僕が当主となり、皆を守る。そのために母上を・・・討つ」


あぁ・・・。

彼はついに覚悟を決めたんだ。

門川の当主となることを。


彼の心は・・・今、熱い。

熱くたぎっているんだ。


永世おばあさまや、お父さん。お兄さん。


たくさんの人達が、たくさんの涙を流した。

守りたいものを守りたくて、でも、守りきれずに・・・。


彼はその涙と想いを受け継ぐ。

たくさんの人達の想いを背負って、彼は立つ。


門川当主としての自覚を持って、その両足で立つんだ。


守りたいものを守るために。

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