神様修行はじめます! 其の二
「異形のモノと戦った者が、葉っぱごときでうろたえるでない」


「経験者だから余計に怖いんだもん!」


それに!

こんな山奥で、危険動物とか出てきたらどうすんの!


リスやウサギなら可愛いけど、熊にでも遭遇した日には・・・。


あぁ、せめてニホンカモシカあたりでカンベンして欲しい!!


「情けない神の末裔じゃのぉ」


「絹糸、神獣なら電気つけてよ、電気」


「神獣と電気と何の関係があるんじゃ」


電気もつけれないのぉ!?


んもう、役に立たない化け猫なんだから!


「我は便利屋ではないわ」


「どーでもいいけど、どこまで歩くの?」


「もうすぐそこに祠がある」


祠?


「そこから永久の元へ行くのじゃ」



永久(ながひさ)。

その名を聞いて、あたしの心は途端に焦燥感を増す。


門川永久(かどかわ ながひさ)。


あたしが守ると決めた、ただ一人の人。

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