神様修行はじめます! 其の二
そりゃ、言うだけの人は簡単だろうけどさ。


持って歩くの、あたしなんだよねぇ。


あたしは、しぶしぶお札に手を伸ばす。


熱くないかな? さっきまで炎の中にあったんだし。


あ、大丈夫だ。全然熱くない。


・・・しっかし、よく燃えなかったなぁ。紙なのに。


滅火の炎って、よく分かんない。


「成分が普通の炎と違うのかな?」

「当然じゃ」


「あ、やっぱそうなの?」


「神の操る炎じゃぞ。ガスコンロの火と一緒では、天内も立つ瀬があるまい」


「そりゃそーね、あははは」


「やれやれ、これが天内最後の末裔か」


絹糸が、頭を振って溜め息をついた。


むー! なによ!

仕方ないじゃん! じー様から何も教わらなかったんだもん!


あたしは、プンッとむくれてお札を折りたたんだ。


・・・折ったくらいで、ご利益が消えたりしないでしょっ。たぶん。


そして乱暴にスカートのポケットに突っ込む。


「さてと、先に進むぞ」

「でも、どっちに行けばいいのか分かんない」

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