神様修行はじめます! 其の二
相変わらず、辺りは真っ暗。

道案内してくれたチョウチョさんも、もういないし・・・。


困ったなぁ・・・。


「小娘、見ろ」

「え?」


絹糸の視線の先を追う。

あれ? なんだか向こうの方、ぼんやり明るくない?


光が見える。

向こうに何が・・・?


絹糸を抱え、誘われるように歩いて行く。


どんどん周囲が明るくなっていった。


その明るさの先に・・・


「扉だっ!」

「到着したようじゃ」


あたしは扉に駆け寄った。

そして見上げる。


縦も横も、どーんと盛大にデッカイ扉だ。

真っ黒くて、飾りも何にもない。


「味もそっけもない扉だね・・・」

「扉に味付けする必要など無かろうが」

「そりゃそうだけど」

「まったく人間というのは、意味不明な生き物じゃな」

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