神様修行はじめます! 其の二
「知ってますわ、そんな事」


即座に返事が返ってきた。

無表情のまま、すごく早口で。


「・・・で? それが何ですの?」

「・・・・・」

「永久様の事が好きだから、なに?」

「・・・・・」

「自分の婚約者を好きだと宣言されて、さぁわたくしにどうしろと?」


お岩さんは、まばたきもせずにあたしを見据えている。


「言った方はサッパリなさるでしょうけど、言われた方は、たまったものではありませんわ」


・・・・・。


確かに、その通りだろうと思う。


もし・・・

もし、あたしの婚約者が女の人と抱き合ってたら。

そして、それをあたしが目撃してしまったら。


そのうえ堂々と『あなたの婚約者の事が好き』なんて、その人に宣言されてしまったら・・・。
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