神様修行はじめます! 其の二
「どんなに高い壁でも、よじ登るより他にありませんわ!」

お岩さんがスクッと立ち上がった。

「わたくしは諦めませんわよ!」

空を見上げて、しっかりと宣言する。


鮮やかなパステルピンクのドレス。

細やかな金と銀の刺繍に、真っ白なレース模様。

豪華な衣装に包まれた身体は姿勢良く、高く結い上げられた頭は、ピンッと上を向く。


本当に中世の貴婦人のようだ。

誇り高く、強靭で、美しい。

その姿を見ていると、なんだか力が湧いて来る。


あたしも負けてられない。


勝ち負けじゃないけど、お岩さんの意思と闘志に負けてらんない。

あたしも女の誇りにかけて、諦めない!


門川君を・・・

門川君に愛され、選ばれる事を絶対に諦めない!


「あたしだって頑張るよっ!」

「手始めは、明日の決戦ですわね」

「うんっ」

「永久様のために、できるだけの努力をしなくては」

「絶対にあたしが門川君を守ってみせるよ!」

「わたくしだって戦いますわっ」

「うんっ。後方支援をお願いね!」

「何をおっしゃるの? わたくしは前線で戦いますわよ!」


・・・・・え?

前線で戦う??


「わたくしも、敵を倒してごらんに見せますわっ!」
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