神様修行はじめます! 其の二
洞穴をそのまま利用したような、ゴツゴツした岩肌がむき出しの壁。


無造作にくり抜かれたような小部屋に、鉄柵が張られている。


間違いない。

ここは門川の牢獄だ。


でも・・・。


たくさんの牢があるけれど、誰一人、入っていない。


「この牢屋は、めったに使われる事は無い」

「そうなの?」

「門川の存在を、揺るがすほどの大罪人だけが入るのじゃ」


大罪人。

門川君が、そんな扱いを受けてるなんて。


門川一族の次男。


次期後継者に選ばれるかもしれなかった身分なのに。


それがこんなひどい場所に閉じ込められてるなんて。


本当に、なんて残酷な話なんだろう。

< 44 / 654 >

この作品をシェア

pagetop