神様修行はじめます! 其の二
食事もとらず、話しも笑いもしない。

絹糸やしま子の事も避けて。

そして空ばかり見ていたなんて・・・。


「糸が切れてしまったのじゃろう」

「糸?」

「永久の人生は、極限に張り詰めた糸のようであった」



父も母も異形のモノに殺され、身近な人間は敵ばかり。


常に命の危機にさらされ続けた。


跡取りに勝手にかつぎ出され、矢面に立たされ利用される日々。


重荷でしかない門川を、それでも守らねばならぬ。


その門川に、あげく大罪人に仕立て上げられた。


「唯一、自分を守ってくれた永世も死に、小娘もいない」



小娘を現世に無事に送り返した時点で・・・

もはや、気力も何も尽き果てた。


自分自身の生きる意味を、見失ってしまった。


「水も食も完全に絶ったのは、そういう意味じゃ」

「そういう、意味って・・・?」

「つまり、そういう意味じゃよ」

「・・・死のうとしたって、事?」

「・・・・・」

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