神様修行はじめます! 其の二
門川君は・・・おそらくずっと悩み続けてきた。

なぜ自分が生まれてきたのかを。



自分さえ生まれなければ、争いは起きなかったろう。

おそらく誰も、これほどまでは不幸にならなかった。

なのに自分はこの世に生まれ落ちてしまった。


この尋常ならざる力を持って。


理由があるのだろうか。

自分が生まれてきた理由が。

全ての答えがあるのだろうか。


自分は・・・本当に生まれてきてよかったのかどうか。


知りたい・・・。

答えがあるなら、切実に知りたい。



「でもそれは今じゃない」

門川君は主さんから視線を逸らさず、言い切った。


「知るのは今じゃない。いま僕は、まず成すべき事があるんだ」

「あぁ、それが良いだろうねぇ」

主さんがくいっと首を傾げて、事も無げに言った。


「そもそも答えなんて、誰が都合良く用意してくれてるもんかい」

「・・・・・」

「世間様ってのは、そんな甘いモンじゃあ無いんだよ」

「そうだろうな」

「それが分かってるんなら、早くお行き」


するするする・・・

主さんが門川君から離れていく。
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