神様修行はじめます! 其の二
対峙
金、銀、藍、朱、黒。
艶やかで華やかな空間。
金箔銀箔が張られている、ふすまや屏風。
天井には繊細に描き込まれた小花模様。
精密で豪勢な調度品の数々。
走り続けるあたし達。
見覚えのある光景が流れていく。
そうだ、この場所だ。あたしは以前、ここに来た。
この奥に間違いなく奥方の部屋がある。
門川君はわき目も振らず、真っ直ぐ走っていく。
迷路のように広く入り組んだこの場所で、迷いはカケラも無い。
記憶しているんだ。しっかりと。
ここで自分に与えられた、屈辱と悲劇と虐待と共に。
忘れる事なく刻み込まれている。
休まずに走り続け、奥へ奥へ・・・。
そして、ひときわ豪勢な細工の施されたふすまが見えてきた。
あたし達は、そのふすま絵の前で止まった。
大振りな松の木の緑。
豪快に流れる大河を現す墨。
虎や鳥、様々な生き物に彩られる金、銀、極彩色。
・・・・・ここだ。
ついに来た。全身が緊張する。
ざわざわと血がざわめき、皮膚がジリジリと痺れる。
いる。ここに。
あたし達の目指すものが、ここにある。
艶やかで華やかな空間。
金箔銀箔が張られている、ふすまや屏風。
天井には繊細に描き込まれた小花模様。
精密で豪勢な調度品の数々。
走り続けるあたし達。
見覚えのある光景が流れていく。
そうだ、この場所だ。あたしは以前、ここに来た。
この奥に間違いなく奥方の部屋がある。
門川君はわき目も振らず、真っ直ぐ走っていく。
迷路のように広く入り組んだこの場所で、迷いはカケラも無い。
記憶しているんだ。しっかりと。
ここで自分に与えられた、屈辱と悲劇と虐待と共に。
忘れる事なく刻み込まれている。
休まずに走り続け、奥へ奥へ・・・。
そして、ひときわ豪勢な細工の施されたふすまが見えてきた。
あたし達は、そのふすま絵の前で止まった。
大振りな松の木の緑。
豪快に流れる大河を現す墨。
虎や鳥、様々な生き物に彩られる金、銀、極彩色。
・・・・・ここだ。
ついに来た。全身が緊張する。
ざわざわと血がざわめき、皮膚がジリジリと痺れる。
いる。ここに。
あたし達の目指すものが、ここにある。