神様修行はじめます! 其の二
みんな・・・ついに来たよ。
ここに、あたし達は辿り着いたよ。
門川君が、勢い良く両手でふすまを開く。
パ――ンッと小気味の良い音が鳴り響いた。
ただっ広い空間。
まだ新しい畳が敷き詰められた部屋。
壁際に飾られた、息を呑むほどのきらびやかな調度品。
その最奥、一段高い場所に・・・・・
目的の人物が座していた。
不思議な形に高く結い上げられた髪。
それを飾る、べっ甲と翡翠のクシ。
見目も鮮やかな総刺繍の着物。
襟元からチラリと覗く、濃い翠色。
絹の艶、帯止めの透き通る宝玉。
あたし達の真正面に座り、身動きひとつせず、じぃっとこちらを見ている。
この人だ。
この女だ。この女なんだ。
誰もが、門川君に言う言葉がある。
『お前さえ生まれてこなければ良かったのに』
・・・違う。そうじゃない。
この女なんだ。
この女が全ての原因なんだ。
苦しみも悲しみも、涙も悲劇も、死も。
みんなみんな・・・
全てこの女が生み出しているんだ。
ここに、あたし達は辿り着いたよ。
門川君が、勢い良く両手でふすまを開く。
パ――ンッと小気味の良い音が鳴り響いた。
ただっ広い空間。
まだ新しい畳が敷き詰められた部屋。
壁際に飾られた、息を呑むほどのきらびやかな調度品。
その最奥、一段高い場所に・・・・・
目的の人物が座していた。
不思議な形に高く結い上げられた髪。
それを飾る、べっ甲と翡翠のクシ。
見目も鮮やかな総刺繍の着物。
襟元からチラリと覗く、濃い翠色。
絹の艶、帯止めの透き通る宝玉。
あたし達の真正面に座り、身動きひとつせず、じぃっとこちらを見ている。
この人だ。
この女だ。この女なんだ。
誰もが、門川君に言う言葉がある。
『お前さえ生まれてこなければ良かったのに』
・・・違う。そうじゃない。
この女なんだ。
この女が全ての原因なんだ。
苦しみも悲しみも、涙も悲劇も、死も。
みんなみんな・・・
全てこの女が生み出しているんだ。