神様修行はじめます! 其の二
感情もろ出しの人間そのもの。
ロコツなまでの本能むき出しね。
更年期障害でホルモンバランスが崩れてるんじゃない?
婦人科行ったら?
「わらわは・・・真の神の母なるぞ!」
ぎらりと鋭い目で睨み、怒鳴り声を発する奥方。
興奮して、肩と胸が激しく上下している。
門川君がいつの間にか上体を起こして、その姿を黙って眺めていた。
こんな様子の奥方は、今まで見たことが無いんだろう。
だだっ子のように扇子を畳に叩き付ける姿を、彼は呆然と見ている。
・・・どこか、哀れみのこもった目で。
「わらわは神の母! 選ばれし特別な存在!」
奥方は叫び続ける。
「門川の正妻となり、子を産み、当主の座に就かせるが我が使命! 宿命!」
誰に向かって叫んでいるのか、その目は宙を泳ぐ。
「神の御意思、天の定めじゃ! それは絶対に成されなければならぬ!」
焦点の合わない視線が、あちこちと動く。
とてつもない不安に駆られているかのように。
「でなければ・・・」
どこか・・・泣き出しそうな目。
「わらわがこの世に生まれた価値など無いと、一族の全員に教わった!」
ロコツなまでの本能むき出しね。
更年期障害でホルモンバランスが崩れてるんじゃない?
婦人科行ったら?
「わらわは・・・真の神の母なるぞ!」
ぎらりと鋭い目で睨み、怒鳴り声を発する奥方。
興奮して、肩と胸が激しく上下している。
門川君がいつの間にか上体を起こして、その姿を黙って眺めていた。
こんな様子の奥方は、今まで見たことが無いんだろう。
だだっ子のように扇子を畳に叩き付ける姿を、彼は呆然と見ている。
・・・どこか、哀れみのこもった目で。
「わらわは神の母! 選ばれし特別な存在!」
奥方は叫び続ける。
「門川の正妻となり、子を産み、当主の座に就かせるが我が使命! 宿命!」
誰に向かって叫んでいるのか、その目は宙を泳ぐ。
「神の御意思、天の定めじゃ! それは絶対に成されなければならぬ!」
焦点の合わない視線が、あちこちと動く。
とてつもない不安に駆られているかのように。
「でなければ・・・」
どこか・・・泣き出しそうな目。
「わらわがこの世に生まれた価値など無いと、一族の全員に教わった!」