神様修行はじめます! 其の二
あたしは恐る恐る背に乗った。

しま子が後ろからあたしを支えてくれる。

あ、ほんとだ冷たくないや。

でも間違いなく氷なんだよね、これって。


滅火の炎といい、門川君の氷といい・・・。

あらゆる物理の法則を、完全に無視してるよなぁ。

つくづくあっちの常識が通用しない世界だ。


「あんた達、無理するんじゃあないよ。完全に回復したわけじゃ無いんだからね?」

「はい、主さん。小人さん達、またね」

「よし、行くぞ」


門川君の声を合図に、龍は優雅に空に舞い上がった。

見る見る小さくなる主さんと小人さん達。

風を切りながら目的地まで天を駆ける。


明るさの覗く紺色の空を、ひたすらに飛び急いだ。


お岩さん達は大丈夫なんだろうか?

絹糸達は無事だろうか?

焦燥感と共に、重苦しく悲しい感情が胸の中に生まれてくる。


セバスチャンさん・・・。


やがて、しばらくすると木々に囲まれた道にたどり着いた。

お岩さん達と別れた場所だ。

氷龍が風を舞わせて地に下りた。


あたし達は急いで龍から降りて・・・

そこで目を見張った。


「絹糸っ!!!」

「おぉ、みな無事じゃったか」


変化を解いた絹糸と子猫ちゃんがいた。

かなり、悲惨な姿で。
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