神様修行はじめます! 其の二


その後


あたしと門川君は別行動になった。


彼は絹糸と共に、あのまま門川の屋敷に残る事になった。

この事態を沈静化するために。


永世おばあ様もいない。奥方も亡くなった。

お兄さんも亡くなった。

門川君以外に、正式な指示を出せる人間はいなくなってしまったから。


あたしは権田原の土地に戻った。

門川君から「自分の名代として当主の葬儀に参列して欲しい」って頼まれたから。

あたしは二つ返事で了承した。


お岩さんのことが心配でならなかったし。

セバスチャンさんの事も心配だったから。


しま子と一緒に、一連の葬儀が済むまで、ずっとここで過ごしていた。



お岩さんは、ちょっとの間寝込んで・・・。

割とすぐに元気を取り戻した。

落ち込んでいられる状況ではなかったから。


彼女は、正式に権田原一族の当主となった。


彼女の下には何人か兄弟姉妹がいるんだけど、まだだいぶ幼くて。

お岩さん以外、当主の座に適任な人物がいなかった。


その結果として・・・

お岩さんは、門川君との婚約を解消した。


お岩さんは、この権田原の地に当主として骨を埋める決意をした。

近いうちに誰か結婚相手を決めるつもりらしい。


そしてあたしは今日、門川君のもとへと帰る。

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