神様修行はじめます! 其の二
『波ひとつ立たない、水面のように』


そう、精神を集中する・・・


『張りつめた弓の弦のように』


うん、意識が高まってくる・・・


『その弓を、迷わず引け。清涼な精神のままに』


うん・・・。


うん!!


あたしは両目を開ける。


集中した精神は、世界を見渡す海原のように広がる。


高まる意識は、巨峰の頂までも登りつめる。


さあ、頂から・・・


引けっ!

狙いを一点に定めて!!



― ジリジリジリ・・・ ―


あたしの手を通して、札から何かが伝わってくる。

この力は・・・?


― カアァァァッ!! ―


うわっ!!?


目も眩むような強烈な光が走った。

この洞窟全体を照らすほどの光量。


今までの暗さとの、あまりの差に目が潰れそうになる。


たまらず両手で目をガードした。


痛~・・・。

目、痛い。チカチカする・・・。


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