神様修行はじめます！ 其の二

・・・・・。

そうだね、大丈夫だ。

お岩さんにはセバスチャンさんが。

そしてセバスチャンさんにはお岩さんがいるんだ。


今回の件で、ひょっとしたら二人の間がギクシャクするんじゃないかと心配してたけど・・・。


本当だ。心配御無用！

このふたりの絆は揺るぎ無い。

ふたり共、お互いが側にいれば無敵だ。絶対に。


「あたし、帰るよ。お岩さん」

「えぇ。頑張ってねアマンダ」

「うん。お岩さんもね」


あたし達は見つめ合った。


「また会いましょう。アマンダ」

差し出される手。握手を求める手。

別れの挨拶。再会の約束。


「・・・・・うん。また会おうね」

あたしは、お岩さんの首に両腕を回して抱きついた。


「また会おうね。お岩さん。必ず会おうね」

「・・・えぇ、必ず」

「きっとね。きっと会おうね」

「えぇ。きっときっと・・・」


お岩さんの両手が、あたしの体をギュッと抱きしめる。

あたしも精一杯、お岩さんを抱きしめた。


涙でぼやけるお岩さんの髪の色。

黒いドレスの生地。

その向こうの、あたし達を見守るセバスチャンさんの姿。