神様修行はじめます! 其の二
あたし達は、主さんの住んでいる沼のほとりまで来た。
「主さぁぁ~~んっ!」
沼に向かって声を張り上げる。
「あたし、無事に帰ってきましたぁ! 元気です!」
主さんはあの後、姿を消した。
お礼を言いたくて何度かここへ来たけど、一度も会えないでいる。
「気まぐれな奴なのでな。明日姿を現すか100年先か、分からぬ」
絹糸がそう言っていた。
それを聞いてちょっと寂しかった。
それでも主さんは、確かにここにいてくれる。
「主さぁん! ありがとう!」
沼の向こうで、水の上辺がゆらりと揺れたように見えた。
「ねぇ門川君」
「なんだ?」
「こっち。ちょっとこっち来て」
もうすっかりと辺りは暗闇に包まれている。
そんな中あたしは門川君の手を引いて、あの場所へ向かった。
あの、植物と動物の世界が一転している場所。
夜の間は植物が活動する、あの幻想のような場所へ。
植物たちはあの時のように、枝や葉をおぼろに輝かせている。
まるで虹のように様々に色彩を変えて。
愛を交わす相手を求め、さまよい歩く。
絡み合う枝先。
ためらいがちに触れ合う花びら。
口づけを交わす木々たち・・・。
「こんな場所があったなんて・・・」
門川君は感嘆の声を上げた。
「素敵な場所でしょう?」
あたし達は並んでその場に座った。
「主さぁぁ~~んっ!」
沼に向かって声を張り上げる。
「あたし、無事に帰ってきましたぁ! 元気です!」
主さんはあの後、姿を消した。
お礼を言いたくて何度かここへ来たけど、一度も会えないでいる。
「気まぐれな奴なのでな。明日姿を現すか100年先か、分からぬ」
絹糸がそう言っていた。
それを聞いてちょっと寂しかった。
それでも主さんは、確かにここにいてくれる。
「主さぁん! ありがとう!」
沼の向こうで、水の上辺がゆらりと揺れたように見えた。
「ねぇ門川君」
「なんだ?」
「こっち。ちょっとこっち来て」
もうすっかりと辺りは暗闇に包まれている。
そんな中あたしは門川君の手を引いて、あの場所へ向かった。
あの、植物と動物の世界が一転している場所。
夜の間は植物が活動する、あの幻想のような場所へ。
植物たちはあの時のように、枝や葉をおぼろに輝かせている。
まるで虹のように様々に色彩を変えて。
愛を交わす相手を求め、さまよい歩く。
絡み合う枝先。
ためらいがちに触れ合う花びら。
口づけを交わす木々たち・・・。
「こんな場所があったなんて・・・」
門川君は感嘆の声を上げた。
「素敵な場所でしょう?」
あたし達は並んでその場に座った。