神様修行はじめます! 其の二
ファーストキスが叶うと思ったのに。

爬虫類の冬眠って言われちゃったよ。

よりによって、爬虫類の冬眠。


ショックだあぁぁ~~。

はあぁぁぁ~~~・・・。


「相変わらず永久は手ごわいのぉ」

「うあ、うあぁ~」

ガサガサ!と後ろの庭木の枝を掻き分ける音がして、ビックリして飛び退いた。

葉っぱの間から、絹糸としま子が顔を覗かせている。


「絹糸!? しま子!?」

「小娘よ、気を落とすでないぞ」

「・・・ありがとう。じゃなくて!」


遠慮してふたりきりにしてくれたんじゃなかったの!?

いつからそこにいたのよ! あんたら!


「墓参りに出発する時点から後をつけておったぞ」

最初っからか!

こっそり見てたのか!?


「永久の警護を怠るわけがあるまい。甘いぞ小娘」

「うあぁ、うああ~~っ」

「われらの気配も読めぬとはのぉ。未熟じゃぞ、精進せい」


あ・・・・・。

ぽかんと開いた口が、閉じてくれない。

もう、もう、もう・・・。


はあぁぁ~~・・・がっくり。


カックンと首を下げたあたしの肩を、しま子が慰めるようにポンポンと叩いた。


「ほれ、さっさと立たんか小娘」

「・・・・・」

「立てと言うに」

「・・・はいはい」

「返事は一度でよいわ」

「はぁい・・・」
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