神様修行はじめます! 其の二
ノロノロとあたしは立ち上がる。

ちょうど向こうから門川君が引き返してくるのが見えた。


「天内君、いったい何をしているんだ!」

「あ、門川君・・・」

「君は僕の警護係だろう? はぐれてどうするんだ!」

「・・・・・」

「まったくもって頼りない。もっと自覚と認識を持ちたまえっ」

「・・・はいはい」

「返事は一度だ!」

「はぁい~・・・」

「語尾を伸ばすな!」


じとぉ~~っと恨みのこもった湿った視線で彼を見た。

すると彼も、負けずに不機嫌な視線をドカッとぶつけてくる。

なによ! 機嫌悪いのはこっちの方よ!

なんでそんな怒ってるわけ!?


「君は約束を守る気は無いのか!?」

「はぁ? 約束ぅ?」

「生涯二度と僕から離れないと言ったじゃないか!」

「・・・言ったけど?」

「離れただろう!? 今、離れたじゃないか!」

「・・・・・はぁ?」

「僕のそばから離れるのは許さない! 君はずっと僕と一緒にいるんだ!」

「・・・・・・」

「ずっと一緒にいるんだ!」


あたしは、またまた口を大きくポカンと開けた。

な・・・なんなの??

この駄々っ子みたいな態度と言動は、なに??

彼、人格豹変しちゃってるよ。


赤い顔であたしを睨みつけてる門川君。

彼ったら・・・彼ってば・・・。


その顔を見ていたら、笑いが込み上げてきた。
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